2019.10.01

11代目社長、誕生。【トップインタビュー Vol.1】

百十二年の間、耕しつづけてきた⼈・技術・地域……。そして新しい時代に向けて、いま。

⽥宮印刷は、1907年(明治40年)⼭形県河北町において、⽥宮五郎が創業し、今年で112年⽬を迎える。創業した1907年といえば、⽇露戦争が終結して間もない混沌とした時代。当時、⼭形では初めて汽⾞が⾛り、⼭形市に初めて電話が開通している。昭和に⼊り第2次世界⼤戦が勃発し、⽇本の⾼度成⻑、そして時代は平成へ。幾年を乗り越えながらも、印刷⼀筋で歩んできた田宮印刷だが、時代とともに変化するお客さまのニーズに応えるべく、2010年にデザイン会社フロットを設立。激動の時代を、田宮印刷とフロットは互いに力を合わせながら邁進してきた。

そして創業から112年。時代は令和へと移り変わった2019年6⽉、長年営業で手腕を発揮してきた阿部和⼈が、⽥宮印刷・フロットの代表取締役社⻑に就任した。創業者から数えて11代⽬の代表取締役社⻑だ。

当時のこと、そしてこれからのことを熱く語る阿部社⻑に、社⻑就任を機に再定義した経営理念に込めた想い、そして⽥宮印刷とフロットのこれからの展望を聞いた。


新しい経営理念に込められた、
新社⻑の想い

新しい経営理念に込められた、新社⻑の想い

阿部社⻑は、2019年6⽉の社⻑就任にあたり、これまで掲げられてきた経営理念の表現を少し変え、意味付けした。そして、社⻑就任の所信表明を通して社員全員に向けて、その決意とともに新経営理念の発表を⾏った。新たに掲げた経営理念には、阿部社⻑のどんな想いが込められているのだろうか。

阿部 「働き甲斐を考えた時、印刷・デザインを⽣業とする当社ですが、直接的に印刷やデザインにかかわっていない従業員も多くいます。すべての従業員に共通すること、また私⽣活にも通じる働き甲斐とは何かを考えました。」

導き出された答えは、「スキルの向上」「良い成果」「⼈間的成⻑」だったという。そして、お客さまに対しては「役に⽴つ」という視点で、企業として何を最優先すべきかが描かれている。

阿部 「お客さまには“想い”があります。それは経営理念だったり、経営課題の解決であったり、販売促進だったり、採⽤課題だったりと多岐にわたります。このようなお客さまの「こうしたい」という“想い”にしっかりと寄り添いながら、ご要望や課題に対して最適な解決⽅法をご提案して、良い成果を出していきたいと思っています。印刷、デザインを通して、お客さまの「最適」を最優先に考えご提案していきたいと思っています。」

新しい経営理念に込められた、新社⻑の想い

また、⼭形に本社のある企業として、「地域」とうい視点は⽋かすことのできないポイントの⼀つだ。⼈⼝問題や雇⽤問題など、さまざまな切迫した問題が交錯する地域において、⼀企業がいかにして地域に貢献できるかを⾃らに問いながら、新しい経営理念には、深く根ざしてきた地域に対する想いがしっかりと表れている。

阿部 「少⼦⾼齢、⼈⼝減少。残念ながらこれを⽌めることはできません。そんな現状の中で、私たちは何ができるのかを考えました。それは、この地域のお客さまの役に⽴ち、当社⾃体が雇⽤を創出し、この地域の持続性を⾼めて⾏くことだと考えました。印刷物の需要が減っていく中においても地域に必要とされる企業を⽬指してまいりたいと思っています。」


令和元年とともに、
⽥宮+フロットの新たな船出

令和元年とともに、⽥宮+フロットの新たな船出

毎朝欠かさず本社の全フロアをまわり声かけをする阿部社長。

先にも触れているように、「少⼦⾼齢社会」「全国的な労働⼒不⾜」「⼈材不⾜」は、少しずつだが着実に現実味を帯びてきており、この先10年で社会は⼤きく変わっていくと予想されている。そうした状況を、阿部社⻑はむしろチャンスと捉えて、次なる⼿を打ち、事業領域までも広げていこうと前向きだ。

阿部 「“ピンチはチャンス”と⾔われるように、私たちはチャンスを掴み全社⼀丸となって事業展開していきたいと思っています。縮⼩していく⼭形のマーケットから隣県の宮城県という⼤きなマーケットへと経営資源を投⼊し、現有設備を最⼤限に活かして、新しい技術やサービスに挑戦し、印刷物を介したコミュニケーションサポート業からコンテンツ業、コンサルティング業へと事業領域を広げていきたいと思っています。」

いま社会全体において、将来の展望はとても厳しいという向きがある。しかしこの112年間で幾度となくそうした厳しさを乗り越えてきた。令和元年とともにスタートした阿部社⻑率いる新体制では、どう乗り越えていこうとしているのか。

阿部 「さらに、マーケットの状況、競争環境、脅威と機会をしっかりと⾒極め、企画制作体制・営業体制・製造体制・設備・サポート体制等の規模を慎重に考えながら、新しい技術やサービスに挑戦し、⼈材育成を図り、業務以外の部分でもさまざまな活動をしていき、会社を維持発展させていきたいと思っています。」

そして最後に、こう⾔い残して、阿部社⻑は次の現場へと⾜早に向かった。

令和元年とともに、⽥宮+フロットの新たな船出

阿部 「10年後、私たちはお客さまからさらに信頼され、地域に無くてはならない企業となり、その喜びをみんなで分かち合えればと思っています。そして、私たちの⽣活の安定と向上につなげていきたいです。」

田宮印刷+フロットの経営理念

阿部和⼈(あべかずひと)/田宮印刷・FLOT 代表取締役社⻑

阿部和⼈(あべかずひと)/田宮印刷・FLOT 代表取締役社⻑

⼭形県大石田⽣まれ。⼤学卒業後、1988年⽥宮印刷株式会社へ⼊社。営業一筋。本社営業部⻑、仙台支店長、営業部門統括、常務取締役を経て、2019年6⽉⽥宮印刷株式会社および株式会社フロットの代表取締役社⻑に就任。多趣味。